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Marantz LS-30V、マニアックな同軸2ウェイ

2021/01/12 - Marantz LS-30V

先週まで撮り溜めした空気録音動画の整理やYouTubeチャンネルの改名(Jetta Projectって名前に変更)で忙殺されておりました。2〜3日前にVISONIKなどの動画をアップしましたので、興味ある方はどうぞ:
Jetta ProjectのYuTube動画

今回の記事は年末の整理で持っていたことを思い出したブツです。DIATONEのDS-103Vのさらに奥に仕舞い込んでて、ほぼ忘れられた存在になってました、マランツのLS-30V、見ての通りセッティングフリー天吊り系の一種、ダイヤトーンのDS-105系の亜種です。

Marantz/マランツ・LS-30Vその1

ユニットを露出させるとこのように凄くメカニカルなのですが、フロントグリルを付けるとフツーのセッティングフリー系の地味なヤツに見えます。

Marantz/マランツ・LS-30Vその2

冒頭でダイヤトーンのDS-105系と書いたのはですね…
まず、DS-105系というのをおさらいすると

DIATONE DS-105 (1984年・39,800円・防磁)
DIATONE DS-107V (1986年・39,800円・防磁)
DIATONE DS-109 (1987年・33,800円)
Marantz LS-10S (1993年・38,800円)
Marantz LS-10V (1988年・40,000円)
Marantz LS-30V (1988年・50,000円)
Clarion MS-2100A (????年・????円)
Clarion MS-2200A (????年・????円)
ALPINE/LUXMAN S-102 (1985年・40,000円)
Toshiba SX-101 (????年・????円)
SHARP AN-SP100 (????年・????円)
BMB CS-M10V (????年・????円)

という一連の同型のエンクロージャーで同型のアルミフレーム10cmフルレンジユニットを使用するスピーカー群です。このうち、マランツのLS-10Vと本機LS-30Vのみエンクロージャーが丸みを帯びた形状、さらに本機LS-30Vのみが同軸2ウェイとなっています。

DENONのUSC-M7とよく似た構成の同軸ユニットです。多くの同軸ユニットのように元々同軸として設計されていないため、ツイーターへの接続はユニットの外部から行うという強引な方法。

Marantz/マランツ・LS-30Vの同軸ユニットのツイーター接続部

ツイーター自体は小型ながらピエゾタイプではなく、ちゃんとしたドームツイーター。外周エッジもツイーターとの接合部のエッジもすべてクロスエッジというのが何だか凄い。ツイーターとの接合部のエッジがウレタンエッジで経年でボロボロになってしまうものが多い中(TEACの古いヤツとかそれが原因で入手意欲が湧きません)、コイツは違います!

では、ユニットを取り外します。
まずはツイーターの接続を外します。

Marantz/マランツ・LS-30Vの同軸ユニットのツイーター接続を外す

ラインには+ーを間違えないよう赤いラインが裏側にあります。

これが同軸ユニット、ずっしり重いです。

Marantz/マランツ・LS-30Vの同軸ユニットその1

アルミフレームでとても高級感のある造りはDS-105系ユニットそのまんまです。ちなみにDS-105系ユニットがどんなものかというと、再びおさらい

こんなのです>DS-105系ユニット

Marantz/マランツ・LS-10SおよびダイヤヤトーンDS-105のユニット

本機のユニットは防磁型になっているため、磁気ユニットの構成が少し異なります。フレーム、エッジなどはそんまんま同じもの。

Marantz/マランツ・LS-30Vの同軸ユニットその2

裏返しにするとゴッツいアルミフレームがよく分かるかと思います。ツイーターは磁気ユニット中央ヨークにツイーターポストがあってそこにネジ留めか接着剤留めかと思います。中央部のフエルトのシートを剥がすと何か分かるかもしれませんが、再貼り付けが面倒なので剥がさず。

ウーファー自体は普通のユニットのコーン紙の形状ですが、コーンの大部分が内周エッジとツイーターに隠れてしまって「果たしてマトモな音が出るのか」という不安を感じるほど。

Marantz/マランツ・LS-30Vの同軸ユニットその3

空気抜きの穴が芸がこまかいです。
それにしても分厚いアルミフレームです。

エンクロージャーはABS樹脂かと思います、DS-105系の角ばったエンクロージャーもそうですが、分厚い素材で剛性感は十分すぎるほど。

Marantz/マランツ・LS-30Vのエンクロージャー・その1

前面に見えるネジ6本を外すと容易に分解できますが、その前にツイーターへのケーブルをエンクロージャーから抜く必要がありますが、ここもよく練られていて、裏側から縁ガイドを押し出すと容易にケーブルがフリーになります。

Marantz/マランツ・LS-30Vのツイーターへの接続ケーブル

コーキング材や接着剤などでヤッツケ的に処理していないのが好感です、バブル期の製品はこういう箇所が無駄に凝ってて好きです(笑)。

フロントバッフルが外れました。
吸音材はこの手のスピーカーとしては平均的、箱内の吸音は積極的には行わずある程度響かせることが前提なのでしょう。ここらへん、似たようなサイズの鈍器系スピーカーとはまったく異なる設計思想です。

Marantz/マランツ・LS-30Vの吸音材

ネットワークはコイルの数値が読めませんが、コンデンサの容量とインピーダンスから逆算してみたところ、3.5kHz〜4kHzあたりです。時代なのか、(このクラスにしては)ケーブル類も割と良いものを使っています。

Marantz/マランツ・LS-30Vのネットワーク

音質の方は後日、空気録音動画をアップしますので、そのときに書いた方がよいかと。

そもそもこのスピーカー、なぜ買ったかというと、DENONのUSC-M7的なスピーカーを自作するのにいいんじゃないかというのが発端なんです。これにウーファーをCORALの4L-60かFOSTEXのFW100なんかを500Hzくらいでクロスさせて作ったりすると面白いんじゃないかと…

しかし、その目論見は増えすぎた機材に埋もれて頓挫したまんま、さらに本機の所有すら忘れかけていたという…

以下の記事が音質についての続編です:

Marantz LS-30V、 試聴動画をアップしました〜

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