DIATONE M-S07とFOSTEX GX10と比較です。
両者、非常によく似ておりますんで、相違点を探っていきたいと思います。
※記事中の画像は左がDIATONE M-S07、右がFOSTEX GX10、別々の画像の場合はFOSTEX GX10→DIATONE M-S07の順で統一しています。
前面ネットを外した外観ウーファーのエッジとセンターキャップが異なる程度に見えます。
ちなみに前面ネットは両者比較すると異なります。
両者ともパンチングメタルですが、DIATONE M-S07の方が目が細かく表面の凸造形も少し凝っています。
ユニットを外してみました、エンクロージャーの比較です。
サイズは全く同じです。
バッフル面に貼っているウレタンシートもウレタンシートの凹み方も全く同じ。吸音材の良や入れ方も同じ、ついでにネットワークからのケーブルの色も同じ(ネットワーク比較は後述)。
画像には撮っていませんが、ネジ穴の処理(貫通穴ではなく、わざわざネジ長分の出っ張りになっている)も同一です。
次に背面です。ネジの位置、形状などまったく同じです。
FOSTEX GX10の方は前にターミナル化しましたが元はDIATONE M-S07と同じくケーブル直出しでした。
結論として、エンクロージャーはまったく同一品、であります!
※FOSTEX GX10には横置き用の金具を装着するネジ穴がエンクロージャーの天板と底にあります。
ウーファーの比較です。
コーン紙の質は同じように感じます。冒頭で記述したようにエッジとセンターキャップの違いのみに見えますが、ひっくり返すと…
磁気ユニット部分は口径は同じですが厚みが全く異なり、DIATONE M-S07は巨大なマグネットです(インピーダンスはどちらも4Ωです)。
ところがですね、フレームはまったく同じなんです。
ターミナルの位置や形状まで同じ。
ウーファーはフレームは同一品、コーン紙やボイスコイルの違いは不明、エッジやセンターキャップ磁気ユニットが全くの別物ということっすね。
次にツイーターです。
両者とも同じ口径のソフトドームツイーター、ボイスコイルへの導入線も同じです。こちらはウーファー以上に違いが分かりにくいです。
フレームや磁気ユニットは同じです。
DIATONE M-S07の方はインピーダンスが5Ωです。
ということでダイアフラムを拡大して比較すると
FOSTEX GX10のツイーターダイアフラムです。
次にDIATONE M-S07のダイアフラムです。
明らかに異なるダイアフラムです、DIATONE M-S07の方は繊維の目が大きなダイアフラムになっています。繊維の目の大きさでどのような音の違いがあるかまでは分かりませんが…
ツイーターの違いはダイアフラムは別物、ということですね。
最後にネットワークです。
FOSTEX GX10のネットワークです(ターミナルへの導線は改造済み)。
こちらがDIATONE M-S07のネットワーク
ベースプレートとラグ基盤、コンデンサは同一品です(耐圧や容量も)。両者ともツイーターは12dB/octカット、ウーファーはローパスのコイルのみという構成で同一ですが、コイルの容量が異なります。
FOSTEX GX10の方はツイーター0.23mH、ウーファー0.47mH
DIATONE M-S07の方はツイーター/ウーファー共に0.35mH
となっています。
FOSTEX GX10の方がウーファーはやや低めでカット、ツイーターのインピーダンスの微妙な違いもありますのでハイパスの方はほぼ同じ周波数と思われます(見解に自信なし)。なんだかんだとチューニングした結果だと思います。
以上がDIATONE M-S07、FOSTEX GX10の違いです。
エンクロージャーやフレームなどは同一品ながら、肝心の音を出す部分は全くの別物、というのが結論です。
とはいえ、同一の箇所を見るとどちらの製品もFOSTEXかDIATONEのどちらかが製造して他方にOEMという感じでしょうね。なんとなくですが、どちらも製造はFOSTEXじゃないかな、と思います。
鈍器系スピーカーって、エンブレムだけ変更して同一品って結構あるんですよ(特にノーブランド品には)。この2機種は異なるモノでちょっと安心。
さすがオーディオ全盛期70年代末、今どきだとコストダウンで間違いなくエンブレム変更のみ同一品でしょうね。
次回、DIATONE M-S07を通常のターミナルに改造して試聴であります。
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