Lo-D HS-1を購入してみたものの、ウーファー固着→マグネットがズレてたの修理第2回目記事です。
これまでの記事は以下です:
・Lo-D HS-1、ウーファー鳴らず要修理
振動板部を分解することなくそのままの状態でマグネットやバックプレートが剥がれを再接着する場合、目視できない状態で手探りでボイスコイルに対して正確にヨークをセンターリングしなくてはいけません。
そのためには下画像のようなセンターリング用のジグが必要です。
これ、自作の治具です。ボルト&ナットはM8のピッチ1.25mmですので、ネジ1回転で1.25mm、半回転で0.625mmと精密な微調整ができます。
この治具、どうやって作るかというと、鉄のアングルプレートに長ナットを溶接した金具を4つ作ります。溶接はバイクのカスタムや特工製作でたまにやりますが、DIYで年に1回やるかやらないかの頻度ですので、立派な溶接機は持たず、もっぱらクルマの廃バッテリを応用したバッテリ溶接です。
マグネットがハマる穴は遊びがないよう、マグネット円周サイズキツキツで作ります(調整時にマグネットが動くと調整できませんので、キツキツであることは最重要です)。
DIYのバッテリ溶接ですが、溶棒ホルダー、アースクリップ、溶接面、溶接グローブ、溶接用キャブケーブル、カストリハンマーなどを買い揃えてクルマの4輪廃バッテリがあれば可能です。
キャブケーブルは4輪用スターターケーブルを流用する方もいますが、十分な電流許容量がなく加熱の危険もありますので値段の割に使えません(溶接時は数十アンペア〜百数十アンペアくらい流れます)。
バッテリは2連〜3連の直列です、ウチでは3連です。バッテリは軽自動車用でもOKです。
溶接時はバッテリ内で激しく水素が発生するなど、それなりの危険を伴うのでマネする方は自己責任でお願いします。ショートさせる時間が長いと、最悪、バッテリが破裂します(ウチでは長めのキャブケーブルでバッテリは塀とブロックで囲んだ庭の角に置いてます)。
んで、これで溶接した治具の金具がこれです。
溶接は素人なので…
このままですとすぐに錆びますのでラッカーで塗装して完成。持っている溶棒の一番細いのが1.6mmだったので、これで溶接しましたが、もう1サイズ細いのが良かったかも。
本題のマグネットのセンターリング作業です。
マグネット側にエポキシ接着剤を塗った後、ボイスコイルを傷めないよう、ガッツリとマグネットをホールドして身構えてスピーカーユニットに磁着させた後、冒頭の画像のセンターリング治具に嵌めます。
ネジを締めたり緩めたりするとヨーク&マグネットに対してスピーカーの腰上(ボイスコイル)が動く仕組みです。
まず、嵌めただけではヨークとボイスコイルの位置関係が不明ですので、最初に開始位置を決めるために腰上(ボイスコイル)側を画像の黄色矢印に向けネジを締めます。
治具に使っているボルト&ナットはM8のピッチ1.25mmですので、ネジの1回転で1.25mm移動します。プレートに対してヨークが完全にセンターである確証はないのです。性能上、問題はないですがメーカー製も意外とこのあたりの組み立てはいい加減です(ボイスコイルとヨークの位置関係だけ精度が出てればいいので)、この位置から逆方向に向け手探りで調整していきます。
赤●部分を押しながらスムーズに動くようになった段階で黄●部分を均等に軽く押してみてボイスコイルの接触がないか調整していきます。
最終的な調整はコンマ数mmでの調整ですので、ネジを1/4回転みたいな感じで調整していきます。エポキシは硬化に12時間以上かかるものを使っていますので、慌てずじっくり作業します。
調整が終了したら、そのままの状態で丸1日放置して接着剤の硬化待ち
最後に治具から外して完成です。
記事が長くなりましたので、次回、組み立て、清掃、視聴であります!
以下が続編です:
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