Aurexの鈍器系スピーカー、SS-S1Wの分解&メンテナンスの続きです。
前回の記事はこちら→Aurex SS-S1W、分解とメンテナンス・Part 1
Part 2ではバッフルの洗浄〜各ユニットの洗浄&メンテナンスまでいきます!
バッフルの洗浄ですが、通常であれば下記のようにティッシュを被せてマイペットに浸して行いますが、本機に限ってはこの方法はダメです!
理由はフロントバッフルに描かれている文字が消えます!
ティッシュに「S1W」の赤インクが滲み初めてすぐに気づいて良かったっす、文字部分を避けて洗剤を使うようにしましょう。そして、文字部分は決して擦ってはいけません。
通常の機器ではマイペット系洗剤を使ってもそんなことないんですけどね、どういうインク使ってんのよ?>Aurex
次にウーファーです。
特徴的なセーム革エッジのヤニ汚れを完全に落とす方法はないので諦めるしかないです。
それでも歯ブラシでコシコシと擦ると表面の埃や毛羽と共に幾分かヤニが取れました。
いちお、洗浄方法は色々と考えたんです。通常、レザーの洗浄は、水洗いもしくは専用の洗剤で洗ったのちに陰干しで半乾きになったところでホースオイルなどを染み込ませればOKなのですが、そのような方法ではエッジのロール形状の整形が崩れる恐れ、エッジが縮む恐れなどがあってできません。なので諦めるか、新エッジを作るしかないですね。
エッジがやや硬めなのですが、型崩れなどを引き起こしかねないので革用オイルの類での軟化はやめといた方が良さそうです。
ウーファー背面です。
90mm径の立派なマグネットを背負ってます!
昔の東芝ロゴが懐かしい!
ツイーターです、ダイアフラムの掃除だけいたしました。
ダイアフラムの掃除は、表面に塗られているダンプ材に影響を与えないよう、水を染み込ませた綿棒で丁寧に優しく埃を拭き取ります。今回は様子見しながらガラスクリーナーを染み込ませた綿棒でヤニ掃除をしています。テープなどでダイアフラムの埃をとるのはやめましょう、モノによっては表面のダンプ材がテープの粘着で剥ぎ取られます。
ツイーター背面のマグネットです。
掃除の必要はありませんが、せっかくなので本機のネットワークです。
なんの変哲もない12dB/octのネットワークです、コンデンサの容量から逆算するとクロスオーバーは4〜5kHzあたりだと思います。コンデンサは容量抜けもなく、正常。
ここまで洗浄だけで実はのべ三日ほどかかってます。
ホント、大変でした。
以前、埃と腐食でほぼ腐ってる状態のFOSTEX GK10をレストアしましたが、GK10は再塗装という手段が使えたので、今回よりはやりやすかったです。
というわけで完成した姿です。
普通に使えるレベルにまでキレイになったと思います。
いずれにしろ1979年頃の製品なので新品同様に戻すのは不可能ですが…
ウーファーもツイーターもキレイです。
ウーファーは少し黄ばみが残りましたがまぁこんなもんでしょう。
ユニットを留めるボルト類はステンレス製ですので、ワイヤブラシで研磨しています。
いやー、ほんと大変でした。
入手して届いたときは燻製状態、スモークチーズならぬスモークスピーカー状態でどうしたもんかと、かなり戸惑いましたが。
次回、試聴レポートですな!