PIONEER CS-610、ドームスコーカーの修理の続きです。
前記事:PIONEER CS-610、ドームスコーカーの固着修理・錆除去編
まず、バックプレートにマグネットを接着します。
使用している接着剤はエポキシ接着剤です。
接着は60分タイプですが、爪痕がつかなくなるまでの硬化には24時間じっくり寝かせる必要があります。
固着から引き剥がす際、乱れていたボイスコイルを修復しています(これが一番の手間だった)。修復したボイスコイルには薄っすらと薄めたGクリアを塗って固定しています。
フロントプレートを嵌めてみてクリアランスや真円度の狂いをチェックします。
フロントプレートを接着します。このプレートの場合、ネジ穴があるので、いきなりマグネットに磁着しないように接着前にネジを接着面側に出しておき、スペーサーなどを入れた後にネジを緩めてマグネット面に磁着させると作業しやすいです。
ヨークの直径が48mm、フロントプレートの内径が50mmですので、クリアランスは1mm。ここでは0.5mmのプラ板の2枚重ねをスペーサーにしています。元々内部に入っていた吸音材なども入れています。
丸1日置いて接着完了後、ダイアフラム付きの全面パネルをネジ留めして完成!
この後、音出しまでチェックしています。
70年代の中頃から90年代初め頃くらいの、大型3ウェイスピーカーが世に沢山出ていた頃はこのような大口径のドームスコーカーは普通のものだったんですが、今や絶滅危惧種ですね。というか、もうどこも作ってないですね。
ワタクシ、大型のドームスコーカーって大好きです。特に70〜80年代中頃のものは贅を尽くした造りのものが多くていいです。これなんか50mm口径のジュラルミンのハードドーム、エッジはダンプ剤が塗布されたウレタンエッジ、バックチャンバーに通じたヨークの貫通穴、巨大マグネットです。
物価の違いがあるとはいえ、こんなユニットが4万を切るスピーカーに装着されてたのは凄いですねぇ。70年代、パイオニア、テクニクスは特に力が入ってたように思います(テクニクスは80年代に入り急速にドームスコーカー熱が冷めたようですが)。
パイオニア・S-9500、コーラル・DX-7のドームスコーカー欲しいっす
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