ビクターの鈍器系スピーカー・S-M5のレストアの完了編です。
これまで…
1.Victor S-M5、ツイーター断線注意
2.Victor S-M5、レストア開始!
3.Victor S-M5、ウーファーのレストアその1
4.Victor S-M5、ウーファーのレストアその2
5.Victor S-M5、ドームツイーター修理その1
6.Victor S-M5、ドームツイーター修理その2
という流れです。
いきなりですが、完成画像です。
前回のツイーター修理完了から完成までの作業です。
ツイーターをエンクロージャーに組み付けて完了かと思いきや….
前面のネットの縁のアルミ無垢部分が激しく腐食してやがります。
こいつを磨きます!
横方向のヘアライン仕上げにしないといけないので、ペーパーなどで闇雲にサビ落としをするわけにもいきませんので、まずはリューターに真鍮ブラシをつけてヘアライン方向へ当ててみました。
え〜っと、まったく歯が立ちません(笑)
表面を撫でているだけ、みたいな…
スチールのワイヤーブラシもありますが、それでは削れ過ぎますのでNGです。
というわけでサンドペーパーでヘアライン方向へ磨きましたよ。
上下の縁はいいのですが、左右の縁は5mmくらいの幅を横方向にチマチマチマチマチマチマと磨くという…修行みたいな作業でした。
その甲斐あってどうでしょう!
ピカピカになりました!
最後にゴム足を付けます。
このスピーカーは後面の高さよりも前面の高さの方が低いのです。横から見ると正確な直方体ではなく、台形を横に向けたような形になっています。直方体でない理由はエンクロージャー内で定在波が発生するのを防ぐためでしょうか?そのままですとスピーカーが微妙に下を向く感じになります。
元々の足も前面の方に分厚いゴム足が付いていて、きちんと前面が垂直に立つようになっています。
というわけで、それに倣って
前面側に5mm厚、後面側に1mm厚のゴム足をつけました。
後ろにメインスピーカーの1000Mが写ってます…
んでもって組み立て完了!
入手してから半年近く、レストア作業開始して4ヶ月弱、長かったっす。
思えば、入手時にツイーター断線が発覚したのが全ての始まりだった。苦労しただけあって愛着もヒトシオです。
ウーファーもツイーターもかなりクオリティの高いユニットが採用されているのですが、ネットを外した状態はあまりカッコ良くないっす。このスピーカーはネットを付けた状態の方が金属特有のソリッド感があっていいっすね。
さて、音質の方ですが、最大の焦点であるダイアフラムを交換したツイーターがマッチするか、という件に関しては微妙にツイーターの能率が高いせいか、明るめの音質です。結論からいうとツイーターの能率はこのままで十分、というかかなり良いです。全般の音質ですが、ツイーターがほぼ新品状態ながらウーファーなど休眠状態がかなり長いため、低音がやや引っ込んだ感じなのである程度のエージングは必要です。それでも普通の鈍器系よりも一回り大きなサイズのおかげか、低域の良さの片鱗が伺えます。
しばらく鳴らしたら改めてインプレします。
ところで、兄弟機に10cmウーファーのS-M3というモデルがあります。どちらかというと主役はS-M3でこのS-M5の方がマイナーだったりします。S-M3はオクでもよく見かけますが、S-M5はあまり出品されません。割とレアものなのか。この2機種を並べると大きさはかなり違います。
このS-M3のツイーターはS-M5と同じものです、そしてやはり断線しているという…
そのうち修理せねばなりません。
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Victor S-M5、レストア開始!
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「Victor S-M5、レストア完了!」への1件のフィードバック
ツイーター修理お疲れ様でした。
私も、YAMAHA NS-05のツイーターの断線品(ボイスコイルの断線脱落品)を修理した時、ALiExpressで同じシルクドーム8Ω品を使いました。
ここで、NS-05のツイーターは壺型アルニコ製でしたが、前面パネルが一体化して居て、ソフトドームは外側に貼り付けて有りました、その為、コイルの位置合わせは極めて困難でした。
私は新ボイスコイルをセットして、4方向に最大変位させた時のエッジ外周位置を記録して外周との隙間を同じくすることで中心出しをしました。
なお、接着の危険性から、両面接着テープと外側からのテープで固定とシールを行いました。
なお、新ドームのリード線はコイルの円周接線方向に出ているので、振幅を自由にする為にコイルの設置角度を45度ずらしました。
また、錦糸線のリード線を引き出す方法として前面パネルにU字溝を削り、溝と全面に絶縁テープを貼って絶縁してドームエッジの裏側から引出しました。
なお、オリジナルのドームと新ドームの違いとして、ボイスコイル中心とエッジとの距離が1㎜程遠く、更に旧コイル幅が2㎜に対して新コイル幅は3㎜でした。
コイル位置を合わせる為に前述の絶縁テープを何層か貼って厚くしました。 溝はほんの少しか、無くても良かったかも知れません。
また、オリジナルコイルは6Ωだったので、8Ωでは感度低下の恐れがありましたので磁束強化するためにポールピースにφ20㎜3tのネオジ磁石を二枚重ねで反磁極方向で貼り付けました。結果としては、元より2db程度感度が高く成って音質は明快に成りました。
ところで、重要な情報です。
ALiのコイル極性表示は±が反対でした。
コイルの極性を調べる為に仮付けして、Li電池と抵抗を使った電源を接続してドームが外側に出る極性を調べたところ、±表示は間違っていました。完全に反対でした。 反対の極性で使用してもウーハーの振動板との位置がずれているので違いが分かり辛いかも知れません。
どちらも位相合わせは不完全ですから。