2ヶ月ほど前、分解できずに困っていたONKYO D-07 ESSAYですが、先日、アストロに寄った際にロングドライバーを買ってきたので分解が可能になりました。内部を探求したいと思います。
※ 本機の音質レポートなどはこちらです>ONKYO D-07 ESSAY、かつて流行ったスエード調塗装
分解は裏側の深い穴にあるネジを外すことでバッフル面が外れる構造です。
分解に必要な工具はこちら、下にある長いドライバーがそれです(長さ15cmです)。
ユニットを留めているネジを外す→分解してフロントバッフルを外す、という手順です。フロントバッフルが外れたらユニットを押し出せばユニットを無傷で外せます。
フロントバッフル面の裏側、バスレフポートを囲むようにネットワークがあります。
割と良質な部品で組まれていますね、ケーブル類も細い線材ではなく、露骨なコストダウンが無いのがこの時期の製品の特徴。クロスオーバーは2.5kHz・12dB/octです。
吸音材はフエルトとスポンジの構成で少なめ、ウーファー〜バスレフポートへの流路にフエルトが設置されています。
エンクロージャーは樹脂製ですが(たぶんABS樹脂)、かなり厚手の素材です。内壁に貼られているガムテは最初からです。何かを留めているのではなく、単に貼っているだけですが、何の効果を狙ったものでしょうか?
お次はウーファー、これが見たかったんです。
1山のクロスエッジに固く強靭なコーン(ピュア・クリスタルファイバー振動板というらしい)。
防磁タイプのため、マグネットにはカバーがされていますが、それを差し引いても伝わってくる巨大マグネットのウーファーユニット。ずっしり重いウーファーです。マグネットのセンターホールはセンターキャップ〜ボイスコイルに生じる圧を逃すものでなので、この口径からするとボイスコイル口径は30mm以上かと思います。
フレームこそスチールですが、ヘビーデューティーで丁寧な作り込みです。実際、かなりの大音量で鳴らしましたが、歪感も皆無で素晴らしいウーファーです。白いドームツイーターが目を引きますが、このスピーカーの売りはこのウーファーだと思います。同時期、Monitor 500やSceptor Cシリーズを作っていた頃で、この時期のONKYOスピーカーは秀作揃いですね。
次は特徴的な白いドームツイーター
ドームのダイアフラムを拡大するとD-100と同じですので、これも酸化チタンコーティングというものかと思います。ナチュラルで刺激的な音を出さない秀作で当モデルとD-100以外にもD-150にも採用されています。それ以降のモデルには見当たらないのでコスト高でやめちゃったんでしょうかね?
マグネット口径は80mm、防磁用キャンセルマグネット付きです。
最後にスピーカーベース部分。
スウェード調塗装の汚れ落としは水拭きなどではなく、画像のように消しゴムを使うのがよいです。ボルト2本で留まっていますが、これを外すとエンクロージャー底面は安定しない形状なので、このスピーカーベースを外して設置するのは想定されていないです。
本機の音質レポートなどはこちらです>ONKYO D-07 ESSAY、かつて流行ったスエード調塗装