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AIWA SC-E80、レストア作業・その3

2021/05/27 - AIWA SC-E80

AIWA SC-E80のレストア・その3です。
以下の記事の続きです:

AIWA SC-E80、レストア作業・その1
AIWA SC-E80、レストア作業・その2

前回はウーファーのレストアまで行っていました。
今回はスコーカーとツイーターです。特にスコーカーはエッジがカチカチに硬化していて少々厄介です。

1.スコーカーの分解とダンプ剤除去
2.ツイーターの整備

 

1.スコーカーの分解とダンプ剤除去

取り外しました、ドームスコーカー。
AIWA絶好調の頃の製品です、かなり立派な作りです(おそらく専業メーカーの外注製造かと思いますが)。

AIWA/アイワ・SC-E80、レストア前スコーカー

保護ネットは留めている接着剤が硬化しているせいか、ポロっと取れました。
ドームはこんな感じになっています。

AIWA/アイワ・SC-E80、スコーカー分解・その1

ドーム部分はソフトドームですが、ちょっと硬質な感じです。とてもキレイな状態です。
前面のネジ4本を外し、さらにここから分解していくと磁気ユニット部とフロントプレート部に容易に分離します。

ダイアフラムはこのようにフロントプレート側に取り付けられています。

AIWA/アイワ・SC-E80、スコーカー分解・その2

ダイアフラムは接着剤も何もなく、ただ嵌め込まれているだけなのでこれも容易に外せて、ダイアフラムユニット部のみの状態にできます。

AIWA/アイワ・SC-E80、スコーカーダイアフラム・その1

大型のマイナスドライバーで突いてもビクともしないレベルでカッチカチになってますからね、マトモな音は出ないです。

ちなみに同じ症状のスコーカーは、以前、Rotel Domus 250のドームスコーカーでレストアしていますが、このスコーカーは片方のボイスコイルが逝っていたため、軟化作業の苦労も虚しく最終的にはダイアフラム交換になっています。

エッジの硬化したダンプ剤を除去していくのですが、手順としては
1.ブレーキフルードでダンプ剤を軟化させる
2.ラッカーシンナーを含ませた綿棒で軟化したダンプ剤を拭き取る
という作業を何度も繰り返します。ときどき、エッジ裏側も同じように作業します。
気をつけないといけないのは、最後にブレーキフルード分を残さないことかな。残っていると新しいダンプ剤の乗りが悪いです。

ダンプ剤は可能な限り除去しました。除去後、エッジの表面には新たなダンプ剤として4倍くらいに薄めた液ゴムを塗布しています。この柔らかさでダイアフラムも柔軟に動きます!

AIWA/アイワ・SC-E80、スコーカーダイアフラム・その2

磁気ユニット側はこんな感じでヨークには吸音材が貼られていますので、吸音材の接着状態を確認。接着が脆くなっていたので補強接着しています。

AIWA/アイワ・SC-E80、スコーカー磁気ユニット

このドームスコーカーのヨークは他の多くの大型ドームスコーカーユニットに見られるような貫通穴はありません。それゆえにバックキャビネットの類もありません。

AIWA/アイワ・SC-E80、スコーカー磁気ユニット裏側

組み立ては分解と逆の手順で容易です。

AIWA/アイワ・SC-E80、スコーカー組み立て

前面のネットは埃で煤けた感じになっていましたので水洗いして乾燥させました。本来の黒々とした保護ネットになって雰囲気がガラっと変わります。

AIWA/アイワ・SC-E80、スコーカーレストア完了

これにてスコーカーのレストアは完了。
記事にすると短いですが、エッジの古いダンプ剤の除去はかなり時間がかかっています(部屋はシンナー臭いし)。

 

2.ツイーターの整備

ツイーターはアルミ振動板のコーン型です。5cmツイーターの大きさよりも一回り小さいので4cmか3.5cmくらいだと思います。ツイーターは特にダメージもなく、軽く掃除だけで済みです。

AIWA/アイワ・SC-E80、ツイーター・その1

こちらも安っぽい造りではなく、振動板の後口径と同じくらいのマグネットを背負ってます(といっても4cmくらいですが)

AIWA/アイワ・SC-E80、ツイーター・その2

以上でスコーカーとツイーターの整備&レストアは完了です。
次回はレストア作業のおそらく最終章となるネットワーク&アッテネーターとエンクロージャー&サランネットのレストア〜完成であります。

続きは以下の記事です:

AIWA SC-E80、レストア作業・その4

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