とても珍しいLUXKITのスピーカー、834 MONITORです。
「LUXKIT」の名の通り、かつてラックスマンが製造販売していたオーディオ機器のキットシリーズのスピーカーです。オーディオの足跡さんによると834は10cmの2ウェイで最も安価なモデルとなります。
とはいえ、エンクロージャーはアルミダイキャストでかなりしっかりしております。
細部を見ていきましょう。
ユニットはバッフルの裏から留める形式、ユニットのLUXKITのロゴが誇らしげです!
各ユニットを外してそれぞれ細部の紹介をしようと思ったのですが、ウーファーがこの有様ですので先に修理です(涙)
それとガスケットやパッキンの類が一切ないため、せっかくの密閉型が密閉ではない状態です。
バッフルのガスケットにラバーは弾性があり過ぎてどうかと思いますので、圧着すると素材の密着して弾性を発しないクロロプレンのシートを使います。
エンクロージャーを押し付けると薄っすらと型がつきますので、それに沿って切り抜きます。
柔らかい素材ですので、バッフルをねじ止めするとシートは潰れて密閉を保持するようになります。
角の部分はバッフルをねじ止めした後にはみ出た部分をカッターで切り落とします。
同じようにウーファーとツイーターのガスケットもこのシートで作成しました。
組み立てと並行してユニット紹介です。
ウーファーです、口径は10cm。
このサイズでコルゲーションがあるのは珍しいですね。
コーンの感じからウーファーというよりもフルレンジっぽいです。
ツイーターです、コーンツイーターで特筆すべき特徴はなさげ。
組み立てます。バッフルは掃除して染みっぽい汚れの箇所はエアブラシでタッチアップしました。
ネットワークです。
ウーファーはフルレンジ入力、コンデンサとコイルはツイーターに接続されています。
吸音材はエンクロージャーの半分ほど、不織布に包まれたグラスウールはキットを組み立てる人への配慮かと思います。
ウーファーはボイルコイルへの導入線が下側になるようバッフルにマウントしました。
というわけで出来上がり。
掃除やタッチアップで最初の画像よりもキレイになっています。
前面ネットをつけるとこんな感じ。
ネット下部の「834 MONITOR」のロゴがかっこいい!
艶消しブラックで角ばった飾りっ気の全くないデザインで軍用っぽくて渋い。
前面ネットつけた状態だと鈍器系ではかっこよさ一番かも。
音質の方は…
何というか、ボーカルものなんかは「お!」と思わせる瞬間もあったりするんですが、総じてレンジが狭く安い小型スピーカーそのものって感じです。「作る喜び」「作りやすさ」が優先の製品で大手メーカーが本気で作った既製品鈍器系スピーカーとタメを張るような音質ではないです。もっと徹底して密閉度をあげたり、吸音材などの調整を行えば向上はする余地はあると思います。
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