70年代末頃のSONYのシステムコンポ「FALCON」のパワーアンプ内蔵スピーカーです。
本機の型番は「SA-20FB」ですがシルバーモデルは「SA-20F」となります。
パワーアンプ部の出力は55w。
スピーカーのスペックは
・インピーダンス:6Ω
・最大入力:100w
・再生周波数:50Hz〜50kHz
・クロスオーバー周波数:3.5kHz
・出力音圧レベル:88dB/w/m
であります(出典はサービスマニュアルです)。
入出力部はこのような感じです
上部にあるスピーカー端子はパワーアンプからのスピーカー出力です。本機をスピーカーとして使用するスピーカー入力ではないです(本機は通常のスピーカーとしては使用できません、改造すれば使えないこともないですが)。
電源スイッチはありません、プリアンプ側の電源連動AC出力でのON/OFFとなります。ちょっと変わった特徴として、パワーアンプにはプロテクションリレーがありませんので、そのまま電源ONを行うとスピーカーから「ボフッ」と音が出ます。プリアンプ側に何か仕掛けがあるんだろうか…?
前面にあるノブはツイーターのアッテネーターではなく、パワーアンプで低音ブーストを行うアコースティック・コンペンセーターなるものです。要はトーンコントロールのスーパーベースみたいなもんです。
ツイーターは見ての通り、リボンツイーターで同時期のSONYのスピーカーによく採用されていたものです(SS-999, SS-757, SS-X100など)。
パワーアンプ部です。
このスピーカーはエンクロージャーの背面が丸っとアルミヒートシンク付きのごっついパワーアンプになってます。
パワーアンプ自体は非常にシンプルです。上記の画像では基盤の右上の部分が出力部、ここにネットワークのコイルとコンデンサがありますので、この辺りをゴニョゴニョ改造すると単体スピーカーとして使えると思います(3.5kHzのネットワーク作った方が早いかも)。
エンクロージャーは分厚いABS樹脂性です。
画像はツイーターが下側に来ています。
SA-20F/SA-20FBではウーファーのボイスコイル部を冷却するヒートパイプがバスレフポートに繋がっています。これは同社のSS-5GXでも見られた仕組みですが、あっという間に廃れてしまったところを見ると…余計な仕組みだったのかと。
ウーファーです。
平面ウーファーでコーン紙ではなく、円錐形の発泡スチロールが振動板という特殊なものになっています。エッジはラバーっぽいです。
ウーファーの背面です。凄く凝ったアルミフレームです!
この造形、たまりません!
いまどきはアルミフレームのユニットなんて高級ユニットくらいでしかお目にかかれませんませんが、この時代はシスコンのスピーカーでもコレですよ、全盛期は凄いねぇ。マグネットも16cmユニットとしては大振りで90mm径です。
次にリボンツイーターです。
前述したように同時期のSONYスピーカーのいくつかに採用されているものです。リボンツイーターとしてのホーン部分と保護ネットはエンクロージャー一体でドライバーのみとなります。
大型で角形のフェライトマグネットでズッシリと重いリボンドライバーです。樹脂性のボディもゴツいっす。本機のリボンツイーターはそういう構成なので、このスピーカーを購入してツイーターを取り外して流用、というのはできません(そういう場合はSS-999かSS-757を買った方がよいです)。
音の方はというと、YAMAHA AX-10のPER OUTを使ってチェックしました(こういうとき便利なんだよね>AX-10のPRE OUT)。
パワーアンプの特性もあるかと思いますが、元気一杯のドンシャリスピーカー。ただし「シャリ」の方はリボンツイーターのおかげか繊細でキメ細かいです、シンバルの音なんか絶品ですね。低音もグリグリ鳴るドライブ感が気持ち良いです。一言でいうと「ロックを聴くならこれでしょ」みたいなご機嫌な音です。聞いてて気分がいいです。アコースティック・コンペンセーターはけっこうブーストが効きますが無くても良い感じ。
ちょっと改造してスピーカー単体でどんな音なのか試してみたくなりますね。
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