先日の記事でヤマハのコンプレッションドライバーJA-4201のホーンアダプターを作成しましたが…
アダプタをドライバーにマウントする際のネジの長さを5mm間違えていたため、プレートをマグネットから浮かせてしまうという大失態を生じさせてしまいました(長すぎるネジでプレートとマグネットを分離させてしまった)。
ドライバーの下側のネジが飛び出ているのが分かるかと、これがプレートをマグネットとの接着面から押し上げる形になったわけです。
このドライバー、ボイスコイルが入る部分のクリアランスが0.9mm、かなりの精度を要するので、今回は組み立て時のスペーサーにプラ板は使わず金属を使います。
磁石にくっつかず、薄さ0.9mmでも磁力や磁着時の衝撃にも耐えるということでステンレスです。素材はステンレスの肉厚パイプです。それを旋盤で削ります。
できました、超がつく高精度、美しい仕上がりです(組み立て時の1回しか使わないんですけどね)
マグネットとプレートです。しっかりと古い接着剤を落とし、脱脂しておきます。
作成したスペーサーがきちんと嵌るかチェックします。
Lo-DのHS-1のレストア時に作成したマグネットのセンターリングジグの登場です。今回は中心にマグネットと同径120mmの穴を開けた板にセット。
まず、マグネット側をセットします。
プレート側に均一に薄っすらとエポキシ接着剤、中央の塔のような部分はイコライザー部で円盤状の箇所にはシーリングのゴム系ボンドをたっぷり。
合体します。
すっごい磁力でガチャっと着きますので指の肉を挟まないよう注意!
ひっくり返して、ジグの四方のネジを調整してプレートをセンターリングします。センターがキマると、自作のスペーサーがカチっと嵌って気持ちいいです。
このまま丸一日置いて接着剤の硬化を待ちます。
ちなみにエポキシ接着剤は「乾燥」ではなく「硬化」です。
硬化が完了したところでスペーサーを抜きます。
最後に取り外していたダイアフラムなどを組み込んで完成です!
今回、当方自身の失態からの修理でしたが、フェライトマグネットのコンプレッションドライバーのマグネットズレ修理のプロセスを紹介することとなりました。皆様の修理の際の一助となれば幸いかと。
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