鈍器系のレストア、AurexのSS-S12W。
以前、当ブログでは10cmウーファーベースのSS-S1Wを整備しましたが、その12cmウーファー版です。とある問題を抱えてて長らく片隅に放置してましたが、部屋が片付かないので重い腰をあげて着手。
![Aurex/オーレックス・SS-S12Wの画像](https://sputnik-dev.com/wp-content/uploads/2021/01/a01-2-480x360.jpg)
前面のグリルを外すと….
![Aurex/オーレックス・SS-S12Wの画像その2](https://sputnik-dev.com/wp-content/uploads/2021/01/a02-2-480x360.jpg)
見事にヤニだらけ、以前のSS-S1Wのときも燻製にしたかのような凄まじいヤニ汚れでしたが、Aurex持ってる人はそういう共通点でもあるんでしょうか(笑)
このSS-S12W、一見、ヤニ汚れ以外は問題なさげに見えますが、これが大問題を抱えてましてですね。これですよこれ、
![Aurex/オーレックス・SS-S12W、センターキャップから垂れたダンプ剤ビスコロイド](https://sputnik-dev.com/wp-content/uploads/2021/01/a03-2-480x360.jpg)
最初、コーンが破れて補修してあるかと思ったら違ってました。
これは何かというと、出荷時にセンターキャップに大量のダンプ剤(ビスコロイド)が塗られてて、それが経年で垂れてエッジまで達してるんですね。さらにそれがエッジでカチカチに硬化、鳴らしているうちにパリっと破れてエッジを痛める、という状態です。この場合、硬化して欠けたビスコロイドのせいでエッジに穴まで開いてます。
この問題はこの個体に限ったことでなく、SS-S12Wの持病かと思います。試しに画像検索してみてください、ダンプ剤が垂れたSS-S12Wの画像がかなり高い割合でヒットします。
もう一つ問題がありました、この画像はウーファーを下から撮影した画像ですが、ダンプ剤は垂れてないものの上側のエッジが丸みがなくなり微妙に突っ張って平になってます(分かりにくいですかね)。
![Aurex/オーレックス・SS-S12Wのコーンの傾き](https://sputnik-dev.com/wp-content/uploads/2021/01/a04-1-480x360.jpg)
分かりやすく図にするとこんな感じです。柔らかいエッジが災いしてコーン紙の重量でコーン紙が傾いてるんですね(赤いのが傾いた結果です)。
というわけでこのスピーカーで行う作業は
・徹底したヤニ掃除
・垂れたダンプ剤の除去
・センターキャップの交換
・コーン傾きによるダンパー歪みの修正
・エッジの交換
の4点です。
そんなわけで分解する前に直ぐに行える垂れたダンプ剤の除去を行いました。ラッカーシンナーを使用。コーンは着色する予定ですので、コーンに残る染みは気にしなくて大丈夫。また、ラッカーシンナーでエッジがふやけて変形しますが、これも交換するので気にしない。
![Aurex/オーレックス・SS-S12W、垂れたダンプ剤の除去](https://sputnik-dev.com/wp-content/uploads/2021/01/a06-2-480x360.jpg)
シンナーを含ませた綿棒で軽く抑えつつ除去、コーン紙が毛羽立って痛むので決して擦ってはいけません。コーン紙の下地が出たところで終了。
次に分解です。
SS-S1Wもそうでしたが、この機種は
・最前面のアルミパネル
・ラバーシート
・エンクロージャーのバッフル
という構造になっています。
![Aurex/オーレックス・SS-S12W、分解その1](https://sputnik-dev.com/wp-content/uploads/2021/01/a07-2-480x360.jpg)
最前面のアルミパネルを剥がす際、ラバーシートがくっつて一緒に剥がれてしまわないよう注意する必要があります。そのためにはツイーターの両端のラバー部分を抑えながら注意深くアルミパネルを剥がします。
![Aurex/オーレックス・SS-S12W、分解その2](https://sputnik-dev.com/wp-content/uploads/2021/01/a08-2.jpg)
アルミパネルを剥がすとこのように全面ラバーのパネルが現れます。このラバーパネルに何かが固着して一気に剥がれることもありますので、注意深く剥がします。
ちなみにSS-S1Wはこのようになってて、いきなりラバーを剥がすとツイーターの引き込み線もくっついたまま持ち上がってツイーターを断線させることがあります:
というわけでラバーが一緒に持ち上がることなくアルミパネルを剥がせました。
![Aurex/オーレックス・SS-S12W、分解その3](https://sputnik-dev.com/wp-content/uploads/2021/01/a09-2-480x360.jpg)
注意深くラバーパネルを剥がすとこんな感じです。幸い、SS-S12Wの場合、ツイーターの引き込み線はアルミプレートの裏側で心配は杞憂でした。
![Aurex/オーレックス・SS-S12W、分解その4](https://sputnik-dev.com/wp-content/uploads/2021/01/a10-2-480x360.jpg)
予想以上にピッカピカです!
ラバーシートのおかげでツイーターのアルミプレートが曇りもなく美しいです。
エンクロージャーは後で洗浄します、それまで作業場の隅に放置。
![Aurex/オーレックス・SS-S12W、エンクロージャー](https://sputnik-dev.com/wp-content/uploads/2021/01/a11-1-480x360.jpg)
取り出したウーファーは古いエッジを外します。
これはコーンとエッジの接着部、外周ガスケットとエッジの接着部にラッカーを塗布してしばらく放置の後、剥がしました。
![Aurex/オーレックス・SS-S12W、ウーファーのエッジ剥がし・その1](https://sputnik-dev.com/wp-content/uploads/2021/01/a12-2-480x360.jpg)
きれいに剥がすことができした。外周のガスケットは剥がさずそのままにしておきます。
![Aurex/オーレックス・SS-S12W、ウーファーのエッジ剥がし・その2](https://sputnik-dev.com/wp-content/uploads/2021/01/a13-1-480x360.jpg)
ついでですのでセンターキャップも接着部分にシンナーを染み込ませてしばらく放置の後、撤去しました。
![Aurex/オーレックス・SS-S12W、センターキャップの取り外し](https://sputnik-dev.com/wp-content/uploads/2021/01/a14-480x360.jpg)
センターキャップはダンプが塗られていたので、ラバーなどの柔らかい素材だったのかと思ったら単なるペーパーのセンターキャップでした。おそらく共振防止にダンプ剤を塗っていたのでしょうね。
![Aurex/オーレックス・SS-S12W、センターキャップ](https://sputnik-dev.com/wp-content/uploads/2021/01/a15.jpg)
と、ここまで作業して、代替のセンターキャップが手持ちの在庫になかったのでAliExpressで注文しました。届くまで2週間くらいですかね。それまでにダンパーの修正やエッジの張り替えなどを行っておく予定です。
今回はここまで!
当記事の続きは以下です:
・Aurex SS-S12W、レストアその2〜自作エッジで修理
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