トリオ・LS-77のレストアは、ユニットのレストア自体はかなり前に終えて運用中なのですが、エンクロージャーの傷などをどーするか悩み中。ひとまず置いといて…
手持ちの機材を早く記事化して倉庫(天井裏の納戸)に収納したいという事情を優先。
今回はコレクションからオーディオ・テクニカの鈍器系・AT-SP50aです。
本機AT-SP50aは防磁仕様となっており、これよりも前のモデルでAT-SP50というのがあります。見分けるのは簡単でAT-SP50aは前面グリルにロゴプレートがあります。
グリル装着時は鈍器系ではかなり男前な外観です。
かっこええです。
見分け方ですが、AT-SP50はエンクロージャーサイド、または前面グリルに大きく縦書きでAudio Technicaとあります(ということは3代に渡って存在するのだろうか)。
AT-SP50aの最大の特徴は10cmウーファークラスでありながら3ウェイであること。クロスオーバーのスペックは5kHzと9kHzなので、実質はツイーター+スーパーツイーターの3ウェイってとこですね。
クロスオーバーについては回路の内容から疑義を訴える方もいらっしゃいますが、ワタクシは見なかったことにしています。
このクラスの3ウェイは以前に紹介したArt AudioのBA-400MkIIIがあります。並べて比べるとこんな感じです。向かって左がArt AudioのBA-400MkIII、右がAudio Technica AT-SP50aです。
巷でよくありがちなメーカーのエンブレムを変えただけのドコカのOEMの同一製品ではなく、どちらもきちんと設計開発された別モノです。ちなみにBA-400MkIIIはなかなか侮りがたい音質です。
そもそもの話「このクラスで3ウェイの意味があるのか」という点についてワタクシの見解は「たぶん意味はないと思うけど面白いからいいじゃん」であります。
分解して中身探求!
と思ったら、ツイーターとスーパーツイーターのファストン端子はハンダで留められてます。
困ったなぁ…
ということで、まずはウーファーです。
こんな風に化粧フレームの下にユニットがあります。
センターキャップはかなり大きめで逞しく見えますが、ボイスコイル口径が太いわけではないです。エッジはウレタンですがラバーっぽい材質のもので劣化で崩壊するタイプではないです。
マグネットは防磁タイプですのでキャンセルマグネットにさらにシールドがついてます。
ごく普通の鈍器系の10cmウーファーですな。
次に取り外せないツイーター&スーパーツイーターです。
このように1枚のプレートにまとめてマウントされています。
ツイーターの方は4cmくらいですかね、スーパーツイーターの方は検索すると1.5cmというデータが出てきます。こちらもひっくり返すと防磁型になっています。
スーパーツイーター側が少し見辛いですが、磁気シールドがされているということはピエゾ型ではなさそうですね(Art AudioのBA-400MkIIIのスーパーツイーターもピエゾ型ではなかったです)。
次はいろいろとクロスオーバーについて憶測を呼んでいるネットワークです。
何が憶測を呼んでいるかというとコンデンサーは両方とも2.2μFで抵抗の違いでツイーター&スーパーツイーターのクロスオーバーを変えている仕組みに『え?』という点があるのです。
スーパーツイーター側に8Ω
ツイーター側に2Ω
の抵抗が入ってます。全てのユニットのインピーダンスを8Ωとすると、抵抗は直列に入っていますのでインピーダンスにこれらの抵抗値が上乗せされる形になりますんで、ツイーターとスーパーツイーターの立場が逆転しちゃうんですね(う〜ん確かに謎だ)。
他の方のブログを拝見すると、ここいじくると結構変わるようです。
ワタクシは本機に関しては改造意欲は湧かないので見なかったことに…
で、最後にエンクロージャーです。
可もなく不可もなく、普通の鈍器系のアルミダイキャストのエンクロージャーであります。吸音材は金魚綿ですな。
以上がオーディオ・テクニカ・AT-SP50aであります。
実は鈍器系3ウェイはもう2機種持っていて、一つがエンクロージャー社のEX-301、これは12cmベースの3ウェイです。もう一つがノーブランドの怪しい鈍器系3ウェイです。どちらも近いうちに紹介したいと思います。
もひとつ、当方の憧れのずっと探している鈍器系3ウェイですごいのがあります。
Braun L300
12cmベースの3ウェイ、ウーファーの前面にあるのはツイーター、上部はスコーカーという構成です。70年代末頃のものと思うのですが、eBayなどで網(=出品アラート)を張ってるのですが全く出品されません(VISONIK DAVID50はeBayで網を張って入手まで2年くらいかかりました)。出品されても高額必至かと。
というわけで、AT-SP50aも空気録音を収録してますので、また別の機会にでも記事にしたいと思います。
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