少し前から電源ON後またはスピーカーA/Bの切り替え時、スピーカーから音が出ず、ボリュームをある程度上げるとリレーが導通して音が出始める、というスピーカーリレーの劣化特有の症状が出ておりました。ピンチヒッターとして現在はONKYO A-922M LTDを使用中。
トップカバーを開けます。スピーカーのリレーはどこにあるかというと、スピーカーターミナルの手前(画像の奥)にあります。
バックパネルを外します。スピーカーリレーはDEC製(第一電機製)のDH2TU 24VDCです。
カバーだけ外して接点部を磨こうと思ったのですが、この状態では無理ですのでリレーを取り外すことにします。というか、リレーなんて高い部品じゃなし消耗品なので、そんなケチ臭いことせずに交換ですね。
ちなみにYAMAHAの同時期のフルサイズのプリメインアンプAX-590のスピーカーリレーは裏面から容易にアクセスできました(リンク)。これは特殊な例かと。
90年代のオーディオ製品は70〜80年代のオーディオ製品に比べるとずっと分解組み立ては容易になってますが、それでも00年代以降のものと比較するとやっぱり面倒臭いです。今回の分解では、このフラットケーブルのコネクタ、抜き差し方法が分からずにしばし悩みました。
以前、80年代中頃のパイオニアのアンプA-X900を分解してて、似たようなコネクタでフラットケーブルを抜いたら最後、一度でも差し込みに失敗すると二度と挿入できない、という泥沼にはまったことがありまして、この手のコネクタはちょっとしたトラウマです。
が、そこは90年代、少し洗練されてます。このようにコネクタ部をスライドするとロックが外れて容易に抜き差しができました。
ここからが七転八倒、最下部のパワーアンプのメインボードを取り出すのに知恵の輪を解くかのような状態です。グダグダやってて画像を撮り忘れました。
手順は…
1.ヒートシンクにパワートランジスタを取り付けてる銅のボルト4本を外し、パワートランジスタを少し倒してヒートシンクから離す。
2.ヒートシンクをマウントするネジを外し(ヒートシンクを除いて内側にあるネジ各2つ)、ヒートシンクを取り外す
3.アンプ後部から見て左側に立っている基盤はプリアンプ基盤、これにコネクトしているフラットケーブル3本を抜く(一番大きなフラットケーブルを抑えているガイドを起こす)。
4.パワーアンプボードを筐体に留めているネジ4本を外す
5.パワーアンプボードの下に隠れているヒートシンクをマウントする台座を筐体底部に留めているネジ4本を外す(内2本は底面にナットがあるので注意)
6.トランスからの結線を束ねるガイド(黒コートした軟質の針金っぽいもの)を解いて、パワーアンプボードを少しズラしてヒートシンクをマウントする台座を抜き取る
7.パワーアンプボードを少し後ろ側に引っ張っる(トランスからの結線に注意)
で、ようやくこの状態です。画像では見づらいですが、左側に垂直に刺さっているのが入出力&プリアンプ基盤、パワーアンプ基盤と分離できるかは分かりません。
上記の状態で丸っと基盤をトランス側にひっくり返すことができますので、これでやっとリレーの交換が可能になります。
フロントパネルに近い部分にリレーが二つありますが、これは何のリレーかは調べてないです。何でしょうね?
交換するスピーカーリレーについて、入手しやすい代替品としてオムロンのG2R-2-DC24です。DEC製のものと同等品です。今回は初の試みとしてリレーソケットを使ってみます。これで分解組み立ての煩わしさからは解放されます(次にリレー交換が生じるまで25年モノのアンプ自体が持つのか、ということはさておき)。
G2R-2-DC24は8本足ですが、元のDECのリレーは6本足、6つ並んでいる内側の2本は不要なので切り取ります(ソケット側の足を切り取りました)。
新しいリレー&リレーソケットに交換後、分解と逆の手順で組み立てて終了です!
交換したリレー部分はこんな感じになりました。
これまで装着されてた古いリレーはどんな状態だったかというと…
接点が真っ黒けです。
これじゃスピーカーへの信号も少なからず影響が出ちゃいますね。リレー交換後は、何となく音質もクリアになったような(プラシーボ)、それよりも電源ONやスピーカー切り替え時にいちいちボリュームをちょい上げしなくて済むのが嬉しいです、悲願達成、みたいな気分で晴れ晴れです。