ヤフオクにて、とても見覚えのあるスピーカーを見つけたので落札してみました。
OTTO SX-5Mという型番なのですが、どこからどう見てもSX-C950です。
ユニットもエンクロージャーの寸法やバスレフポートも一緒、違いはというと…
・SX-5Mはウッド仕上げ、SX-C950はブラック
・SX-5Mのサランネットは密、SX-C950は粗めでかなり透ける
・SX-5Mはクロスオーバー周波数がやや低めになっている(後述)
・SX-5Mは吸音材の量がかなり増やされています。
の3点です。
この個体、ヤニ汚れもほとんどなく(ヤニで汚れてると裏面のラベルなどが激しく黄ばむのです)、エンクロージャーもウーファーもとても綺麗です。ただ、「オットー」というブランド名が敬遠されてしまうせいか、争うことなく安値な開始値で終了しました。OTTO(サンヨー電機)はスピーカーを内製できるメーカーで意欲作もあったのですが、イメージがねぇ…
ウーファーは全く同じ。クロスエッジなので状態は良好です。軽いコーンと小さなマグネットが特徴的です。マウントクランプはウーファーフレームと一体のナンチャッテではなく別体です。
幸いなことにこの個体はツイーターはエッジこそ朽ちていることを除けば色褪せや破れもなく割と良好な状態です。先に入手したSX-C950はエッジが朽ちている+コーン紙部分が破れていたので再生は不可でした。エッジのリペアは、紙のように薄く軽く動きを阻害しないスポンジというのは手に入りませんので、何かないかと思案して不織布でエッジを再生するのがよいかと思います。このままでも歪みなく鳴りますので、まずは視聴してエッジ修復は日をあらためて。
最大の違いであるネットワークです。
左が今回入手のSX-5Mのもの、右がSX-C950です。
SX-5MとSX-C950のネットワークの違いは、SX-5Mの方はツイーター側に2.2μFのコンデンサーが並列に追加されていること。SX-C950のコンデンサ値が3.3μFなので、ザックリ計算すると4.5kHzあたり、SX-5Mの方は合計で5.5μFとなりますので、3kHzあたりからツイーターが頑張る設定です。
ネットワークを取っ替え引っ替えで視聴してみました。
さすがに聴感で一発で分かるほど違いがあります。SX-C950では埋もれて微かにしか聞こえなかった口笛やトライアングルがクロスオーバーが低いSX-5Mでは明瞭に聞こえます。吸音材の量を増やしたことと元々反応の良いウーファーとのコンビネーションで全体的にとても明るく且つ締まったサウンドです。これは正解ですね。
さて、似たようなのが2セットあっても仕方ないので、このSX-5MとSX-C950をニコイチにして仕上げたいと思います。具体的にはエンクロージャーはSX-C950、ユニットとネットワークはSX-5M、といった感じで。
続編、コーンツイーターの修復記事です:
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