イイ音聞いてる？

ども！とっても久々のブログ更新です。

更新が滞っていたのは…
・相変わらず仕事が超忙しい
・2024の6月、仕事中にまさかの大病発覚で救急搬送
と、まぁ2024年はダイナミックな1年でした(笑)。大病の方は2ヶ月ほど入退院を繰り返して完治、特にこれまでの生活と変わりなく復活です。あやうく手遅れになる前に治療ができて非常に運が良かったです。無根拠に「健康に自信あった」というのが大きな原因ですな（検診とか行かなかったのよね）。

と前置きはこれくらいにして、1年くらい更新が滞ってた間に行った作業の記録がたっぷりあります。まずは記事化しやすいONKYOのM55のレストアからぼちぼち再開です。

M55が発売された78〜79年あたり、大型機が主流で20cmクラスのスピーカーはどちらかというとサブ機的な扱いだったように思います（アンプのAとBのSP端子のBに繋ぐ、みたいな位置付け）。ワタクシがカタログ集めに行ってたお店はどこのスピーカー売り場も30cm以上の大型のスピーカーがズラっと並び、その一角に小型のスピーカーは集められて展示されてた感じです。
なので地味な小型のモデルは記憶になかったりするのですが、M55は独特の無骨感のせいでよく覚えてます。当時のオンキヨー製品全般、デザインがヤボったくて垢抜けない独特な感じです。クルマやバイクで例えるとレオーネを作ってたスバルとかGS400を作ってたスズキ、みたいなデザインイメージです。あまり自己主張のないデザインの小型機が並ぶ中でパンチングメタルの外観のコイツがやけに目立っていたのです。

さて、入手したM55ですが、エンクロージャーは割とキレイなのですが、ウーファーはエッジがボロボロ、ツイーターは鳴らないという誰も見向きもしない格安ジャンクです。このスピーカーの存在自体は前述の通り知ってはいたのですが、どんな音だったのかは聞いた記憶もないので一度聞いてみたくてヤフオクで入手。近所のリアイクル屋さんが出品者でしたので直接引き取りに行きました。
ウーファーのグリルを外すと当然ながらウレタンエッジはボロボロです、ツイーターは入手時にならない旨を聞いておりましたので了承済み。

ウーファーを取り外したところ、マグネット周辺が腐食と合わせて雪のような物質、これカビなんです。密閉型はエンクロージャー内に湿気が篭りやすく結露しやすいのです。その結露に長年かけてカビが積もった感じですね。

さすがにこれは屋外でハケ、ブラシ、エアダスターでキレイにしました。エンクロージャー内や吸音材も念のためにエアダスターで掃除。ちなみにスプレーのエアダスターではなく、2輪4輪の整備で使うコンプレッサーのエアダスターです。
マグネット周りで腐食がこれだけ進んでいるということは、マグネットずれも生じているかと思ったら、大丈夫でした。

まずはツイーターから修理します。保護ネットを外すと断線箇所は簡単に見つかりました。ドーム内部への導入線が腐食で断線しています。矢印の箇所です。

だいたいドームツイーターの断線はこの導入線が多いです、露出しているので湿気などで腐食するんですね。断線修理の難度としては初級です。難しいのはボイスコイルへの導入線、超繊細なハンダ結線作業をしなくてはなりませんので失敗率も高いです。
ドームツイーターの状態としては、ダイアフラムのダンプ剤は粘性が残ってて大丈夫そうです、保護ネットのせいか経年にしては埃の堆積も少ないです、あくまで40年以上を経た割には、という意味です。

断線修理です、まずは導入線を覆っている黒いウレタンを除去します。ウレタンですので、触るとボロボロと粉状に崩れるほど劣化しています。除去するには好都合ですが埋まってる導入線を傷めないよう発掘しつつの作業になります。

いずれにしろ導入線を保護しているウレタンは両方ともボロボロですので問題がなさそうな反対側の導入線もウレタンを取り除きます。導入線を傷めないように慎重に…

断線した導入線は銅線のヨリ線を作ってハンダづけで繋ぎます。だいたい同じくらいの太さにします。

断線修理完了！
テスターで導通を確認、さっそく鳴らしてみると、あれ？鳴りませんがな、う〜ん、えええええええーなんで鳴らないの？

なぜ鳴らないのか、いろいろとイジくってるとマグネットが偏ってる、もしやと思いマグネットを引っ張るといとも簡単に磁気ユニットごと外れました。マグネットが腐食で完全に剥がれてやがりました。おまけにマグネットの内側には例のカビの堆積、おぞましいっす。吸い込むと病気になりそうっす(笑)。

というわけで、磁気ユニット部分のレストア作業ですな。
長くなりましたんでこの辺で次回に続く…