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DIATONE DS-161、マイナー機種のレストア完了!

2024/02/01 - DIATONE DS-161

DIATONE DS-161のレストア記事、第3回目です。
前回までの記事は以下になります:

DIATONE DS-161、マイナー機種のレストアその2

DIATONE DS-161、マイナー機種のレストアその1

前回記事でウーファーも出来上がり、レストアも最終段階です。
各ユニットは取り外した状態ですので軽く掃除などしつつ組み込んでいきます。

まず、スコーカー。
本機DS-161のウーファーとスコーカーのクロスオーバーは2kHzですのでスコーカーというよりはツイーターですね。ダイアフラムはハードドームですのでガラスクリーナーを染み込ませた綿棒でやさしくやさしく拭きました。

DIATONE/ダイヤトーン DS-161のスコーカーの掃除

ダイアフラムのエッジ部分はダイヤトーンらしく経年で硬化するダンプ剤が塗られており、カッチカチでしたのでブレーキフルードで軟化させました。

DIATONE/ダイヤトーン DS-161のスコーカーのダイアフラム

本来は硬化したダンプ剤を溶解して取り除き、代替のダンプ剤を塗布すべきなんですが、そのような作業はできそうにないので今回はブレーキフルードで軟化です。ちなみにAIWA SC-E80のスコーカーは硬化したダンプ剤をシンナーで完全に除去してシリコンゴムから作った水飴っぽい粘度の特製ダンプ剤を塗っています。

エッジをブレーキフルードで軟化させるのはポピュラーな方法ですが、あくまで付け焼き刃であり暫定対処でしかないです。そもそもエッジのダンプ剤をブレーキフルード軟化させるのは良いことではないです。エッジとダンプ剤には以下の役目があります:
・不要な共振を抑える
・密閉の確保
ダンプ剤をブレーキフルードで軟化させるとネバりもないサラサラの状態になりますんでこれらが損なわれます。モノによってはエッジ形状が崩壊するものもありますので要注意です。

次はツイーターです。
10kHz〜30kHzを受け持ちますがオッサンの耳には30kHzなんて聞こえません(つか、ワカモノでも聞こえんって)

DIATONE/ダイヤトーン DS-161のツイーターの掃除

保護ネットを外そうと思ったのですが、大した汚れもなくスコーカーよりも保護ネットの脱着が難しそうでしたので表面の掃除のみです。チタンダイアフラムだそうで、迷走モデルですが、スコーカーといい、ダイアトーンのこだわりを感じます。

DIATONE/ダイヤトーン DS-161のツイーターのダイアフラム

磁気ユニット側はこんな感じです。マグネットの直径は50mmです。

DIATONE/ダイヤトーン DS-161のツイーターのマグネット

組み込む前にエンクロージャー内に鎮座するネットワークと内部配線類も撮影しました。

DIATONE/ダイヤトーン DS-161のネットワーク

クロスオーバーは2kHzと10kHzなのでスコーカー&ツイーターというよりも、ツイーター&スーパーツイーターと言った方が適切かと思います。内部配線は謳い文句通りOFCの(この価格帯としては)割と太めの配線材が使われています。

キャビネットも掃除しましたが、あまり綺麗にはなりませんね。

DIATONE/ダイヤトーン DS-161のエンクロージャー

DIATONEのロゴの横にある四角のプッシュスイッチはツイーター増強ボタンで押すと少しツイーターの音圧が上がります。

ボルト類もサンドペーパーや真鍮ブラシなどで軽く錆を落として塗装しました。

DIATONE/ダイヤトーン DS-161のボルト

ネジの頭の錆って完成後にけっこう目につくんですよね。

というわけでユニットを全て組み込んで完成です!

DIATONE/ダイヤトーン DS-161のレストア完了

記事には登場しませんが、サランネットもちゃんとありますよ〜
ちなみにレストア前はこんな感じでした。

DIATONE/ダイヤトーン DS-161のレストア前の姿

ウーファーはわざと上下を逆にして取り付けています。40年間も同じ向きだと微妙にダンパーのヘタリ具合も偏っていると思われますので。

さて、鳴らしてみた音質の方ですが、低音も十分に出ていてなおかつ妙なクセもなく大変バランスがよいです。率直に良い音です。ウーファーの受け持つ帯域が広いせいか定位感もよいです。ウルトラボックスとかベルリンとか、この時代の電子楽器が多めの曲をターゲットに作ったと思われますんで、これらの曲は特にマッチします。小音量でも音が痩せた感じがしないのはバスレフのおかげでしょうか、デザインがイマイチな迷走モデルの割に(笑)なかなかの実力機です。
久々に空気録音してYouTubeにアップしようかなと。

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