本業の方が忙しく、前回更新から少し間が空いてしまったデス。
作業中のスピーカーもいくつかあるのですが、スピーカーネタばかりですので、たまにはCDデッキです。
ふと思い立って使ってみようとしたONKYO C-722M LTDがCDを読み込まないのです。CDトレイの開閉は問題ないのですがCDを認識しません。
開腹して何がどうなっているのか調査です。
トレイにCDを載せてインサート….
CDメディアが回転しません…
というかCDメディアがスピンドルにロッキングされない状態です。ってか、このドライブ、ものすごく見覚えがあるんですが…
そう、このドライブはYAMAHAのCDX-10と同じドライブです。
こちらがYAMAHA CDX-10のドライブ(※トレイを外した状態です)
CDX-10も10回に1回くらいの頻度でCD認識しない問題が発生するので(以前、解決を試みたけど諦めた経験アリ)、ここはひとつ冷静かつじっくりと向き合って問題を解決したいと思います。上手く問題が解決できればCDX-10の問題も解決しますし。
【追記】
当記事で端折ったことも書いてたりしますので、以下の記事も合わせてお読みいただければと思います:
・YAMAHA CDX-10、CDを読み込まない問題を解決
まずはCDトレイを外します。1の部品が爪で留まっているのでこれを外します。次にトレイをいっぱいまで引き出すと2のレバー的な部品がトレイのストッパーになっていますので(これは両端にあります)、この部品の穴にボールペンのようなものを引っ掛けて外側に広げるとCDトレイが抜けます。
トレイを動かすメカが現れますので、プーリーのカバーを外します。外し方は赤い矢印の箇所の爪を押して持ち上げ、黄色の矢印の方向にスライドさせると外れます。
この状態で再びトレイを装着し、腰をすえ、じっくりとローディング時の動作を見ていると、ローディングの最終局面でピックアップやスピンドルモーターのユニットが持ち上がりません。CDX-10で生じた問題を同じ症状です。何度も動作させて各部を見ると、このとき、ベルトとプーリーには最も力が掛かるときですが、ベルトがプーリーの上をスリップして空回りしています。ピンセットでベルトを押してベルトに少しテンションを掛けてやるとスリップは解消してユニットが持ち上がりローディングが完了しました。
ということで原因はベルトの劣化(伸びと若干の硬化)のようです。CDX-10を調べたときに切れていなければベルトは問題ないと思っていたのが盲点で見過ごしていました(こんなことに気づかないとか、お恥ずかしい)。
どこかベルトを売っていないかと検索するとCD partsman!さんで一発ヒットしましたのでCDX-10用も含め複数本注文しました。
http://cdpartsman.com/belt.htm
<ベルトの到着待ち・約2日>
すぐにベルトが届きしたので新しいベルトと古いベルトを比べてみました。新しいベルトに触る前には手をよく洗うかパーツクリーナーを染み込ませたティッシュで手を拭くなど、手指の脱脂をしておきましょう。僅かな皮脂が原因で滑ることはないですが、僅かであっても不安要因は作らないのが修理の基本です。
古い方は柔軟性が若干損なわれていて口径も少し広がっています、あまりゴムって感じがしません。新しい方は「ゴム」って感じです。新しいベルトをプーリーに掛ける前にパーツクリーナーを染み込ませた綿棒(プーリーの隙間に入るよう先を潰す)でプーリーをよく脱脂しました。ここに直接パーツクリーナーを吹き付けるのは厳禁です。
修理前のプーリーのカバーを外す際の画像を比べると分かりやすいですが、ベルトの掛かり方が違ってピシっと張ってテンションが掛かっています。この状態で仮組みして動作確認しましたが、バッチリです!
開腹したついでに煤けている表示パネルの裏面やFL管表示ユニットの表面などを掃除します。傷がつかないようにガラスクリーナーを染み込ませた綿棒で優しく拭き掃除します。汚れ具合からしてこれまで一度も開腹掃除はされていない感じです。
これでボンヤリしていた表示も明るくビシっとシャープになります(蓄電機能のコンデンサの劣化などでFL管自体が劣化している場合は要修理です)。
ところでC-722M LTDと素の無印C-722Mの違いですが…
・Ltdは使用されている部品類が高品位
・Ltdは電源コードが太い
・Ltdは端子類が金メッキ
という違いがあります。
一見しただけでブルーコンデンサやニチコンMUSEなど、ちょっと高級そうなコンデンサが使用されています。
というわけで修理完了です!
スムーズに動作します、感無量です。
この勢いでYAMAHA CDX-10も再整備だ!
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