秘蔵のSONY Liberty(1983年製の2代目)に合うCDプレーヤーを探してて、本来であれば「Liberty CD」としてCDP-101やCDP-102などをゲットしたいところですが、特にCDP-101はSONYのCDプレーヤー第1号機だったりするわけで、希少性でこれらはオクでも高値なのですよ。
というわけで80年代前半〜中頃の比較的安価で入手可能な且つ幅355mmのCDプレーヤーとしてジャンクなCDP-33を入手しました(500円!)。外観などは36年も前のCDプレーヤーとは思えないキレイさなのです。ジャンクの理由はCDトレイが不動ということです。
CDトレイが不動ってことで「ベルトを替えればOKでしょ」と、実に安易な考えでゲットしましたが、なんと、なんと、コイツのCDトレイはベルト駆動ではなく、ギア駆動です!
甘かったッス。
しかし、CDを手動で挿入すると難なく再生しますんで、ここはひとつ、どうしても修理したい!
で、中身を見ると歯が無くなって単なる円盤と化したギアがあります。
とりあえず、バラバラに砕け散ったギアを拾い集めましたヨ
ダブルギアになってて、小さいほうは0.5ピッチの15Tです。大きい方がわかりませんが直径からして0.5ピッチの32〜37Tくらい、穴径は3.5mmです。結局のところよく分からないので、ホビー用の15Tのピニアオンギアと0.5ピッチのギア詰め合わせをAmazonでゲット。
15Tのピニアオンギアは、後述するダブルギア製作のために真鍮製とナイロン製の2種です。この中から色々と合わせてみて、35Tでは小さ過ぎて噛み合わない、37Tで大き過ぎということで最も合いそうなものが36Tでした(それでも少し小さめ、元の歯数については後述しますが特殊なギアです!)。
15Tと36Tのダブルギアがあればいいのですが、色々と探し回ってもありませんので15Tのピニオンギアと36Tの平ギアを組み合わせて作ります。単に接着剤でつけただけではNGなのでキチンとダブルギアとして機能するよう、少し手間がかかります。
まず、すべてのギアの穴を3.5mmに拡張し、36Tの平ギアと真鍮のピニオンギアを3.5mmの軸(ドリル刃を使いました)に通し、真鍮のギアにハンダゴテで熱を加えます。そうすると真鍮のギアが同軸を保ったままナイロンの平ギアに沈んでいきます。こんな感じ↓
溶けてハミ出たナイロンギアの余剰分はカッターで切り取ってます。このままでも使えるのですが、相手ギアはすべてナイロンなので、そこに真鍮ギアを割り込ませるのはNGなので、真鍮のピニオンギアを抜いてナイロンのピニオンギアに入れ替えます。
合体させて、ピニオンギアが抜けないよう平面側に瞬間接着剤を塗って極薄プラ板を貼って固定して完成したのがこちら
我ながら素晴らしい出来栄えです。このギアの製作手法、むか〜しRCカーをやってたときに培ったノウハウです。いつどこで何が役に立つか分からんもんですな。
で、CDプレーヤーに組み込みます。
組み込んだところ、36Tだとやっぱりギアが少し小さい、普通に機能しますが負荷がかかるとギアの掛かりが浅いため空回りすることがあります。というわけで、モーター側のピニオンを少し大きめにしてピッタリ!
余分なグリスを拭き取って修理完了です。
さて、36Tでは少し小さめ、37Tでは大きくてNG、CDP-33の破損する前の元々のギアはどんなものかというと…
歯が異常に長い特殊なギアです!ピニオンギアの駆動を受けるだけなのに、なぜこんな形状なのかは不明です(トレイを駆動するのは一番左のギア)。こんなもん入手不可能っすよ。
※この画像は、この修理の後日に部品取りにするためにゲットしたもう1台のジャンクCDP-33のもの、今は2台あるんです。
というわけで、CDP-33の修理完了、視聴です
視聴テストに使ってるアンプはLibertyではなく、最近テスト用アンプとしてお気に入りのVictor A-E5。トロイダルトランス採用でスーパーAサーキット、スピーカー出力2系統という隠れた逸品でございます(とても良いアンプなのですが、不人気っす)。このアンプについては近い内に記事化する予定っす。
さて、CDP-33の音はというと、普通に聞く分には十分に良い音です。CD黎明期は「CDは音が悪い」などと評判でしたが、これはCDプレーヤーによるものではなく、当時の技術が未熟だったデジタルマスターリングのせい。最近のCDをこの古いCDプレーヤーで再生すると、あらビックリ「実はCDプレーヤー自体はきちんとしてたのね」というのが分かります。
CDP-33は別売りのワイヤレスリモコンがあるので、オクでゲットしなくては…
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