Victor ZERO-10F、前回記事でウーファーのレストアが終わりましたのでユニットの紹介を交えつつ組み立てです。
前回の記事は以下です:
ZERO-10FをZERO-10Fたらしめるスコーカーとツイーターです。
どちらも完調で元気よく鳴ってます!
ウーファーは前の記事でガッツリ紹介してますんで、今回はそれ以外の部分を。
1.ZERO-10Fのスコーカー
2.ZERO-10Fのツイーター
3.ZERO-10Fのネットワークとかエンクロージャーとか
4.ZERO-10F、完成&音質概要!
ウーファーと共に最も特徴的なユニットです。セラミック振動板の複合型、いわゆるバランスドライブ。メーカーによってバランスドライブ(主にソニーでの呼称)、複合型(主にビクターでの呼称)とかセミドーム(主にヤマハでの呼称)と、色々と呼び方が変わるようですが、要はドームとコーンの中間みたいなユニット。本機のスコーカーは「7cm複合型」となっています。
口径や振動板やフレームなど、同時期のZERO-30 Fineに極似しています。2つ並べたわけではないので、はっきりと違いは明言できませんが、セラミック振動板は同一ではないだろうかと。ZERO-30 Fineは白いまま、ZERO-10Fは黒色塗装。フレームはほぼ同じ形状ながら、本機は樹脂製でZERO-30 Fineの方はアルミっぽいです。
防磁型ですので、ひっくり返すとキャンセルマグネットごとシールドされています。そのせいか、ZERO-30 Fineでは存在するスコーカーバックキャビティがありません。
ツイーターはデザインのせいでパッと見てコーンっぽいですがハードドームツイーターです。カタログスペックでは50kHzまでカバーする性能です(ほんとに出せるのだろうか、というか出てても聞こえんが)。素材はアルミっぽいですが正確な素材は不明です。
背面の磁気ユニットはスコーカーと同じくキャンセルマグネットごとシールドされています。
ネットワークはターミナル背面にあり、取り出すにはちょっと難儀しそうなので箱内の状態で撮影しました。クロスオーバーは800Hz/5000Hz。特に可もなく不可もなく。
エンクロージャーは密閉型でエンクロージャー内の吸音材は少なめ、箱内である程度の響きを持たせる意図でしょうか。この辺はアコースティックエアサスペンション効果を狙ったものと設計思想の違いが出ている部分かと思います。サイド部はフエルトにしていたりと、音響調整を行ったと思しき手法が見られます。
ツイーターとスコーカーには薄手の発泡素材のガスケットがありますが、ウーファーには元からありません。
というわけで組み立てて完成!
汚らしかったウーファーフレームの錆の除去で随分とキレイに見えますが、近寄って見ると元の錆の箇所は黒ずみとして残っていたりますが、この辺が手作業による研磨の限界点です。
サランネットを装着するとこんな感じです〜
さて、音質はというと…
ネット上でいくつかインプレがあり、概ねいまひとつ芳しくない評価ですが、あのパリパリのエッジのままなら当然そうなると思います。ワタクシも最初に聞いたときは「あれ?なんだこりゃ?」って思ったくらいですから(つか、エッジの状態に気づかないもんなんですかね?)。
で、エッジ修復後の音ですが、そりゃもう伸びやかなボーカルに怒涛の低音で量感たっぷりの音質です。タイトで尖ったところのあるNS-20Mとは全く異なる設計思想というのがよくわかります。カタログの謳い文句通り「AVの音場空間も」というのはあながち大げさな表現ではないです。小音量でも十分な低音再生です。中音域は意外に丸みのある音、ミュートした耳に刺さるようなトランペットもどことなくまろやか。厳しく言うと中高域はやや節度に欠ける感じあります(音楽ソースによってはボリュームを上げるととややガチャガチャ感が出ます)。
近々、これも空気録音してアップする予定です。
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