トリオ・LS-10のレストアの続きです。
前回の記事は以下です:
・TRIO LS-10、レストア作業・序章
・TRIO LS-10、レストア作業・自作エッジで修復
・TRIO LS-10、レストア作業・ユニット整備
今回はエンクロージャーへのユニットマウント作業です。
古いなりに色々と修理&変更する箇所もあって割と手間がかかってます。
ウーファーのマウントですが、最初の記事で紹介したようにユニット自体はエンクロージャーには留まっておらず、例のアルミバッフルプレートでバッフルに挟んで押しつけている方式です。そのため、ウーファーユニットを留める箇所にはネジ穴がありません。
アルミバッフルプレートの裏側はどうなっているかというと、ユニットのフレームが嵌る溝が掘られ、この溝でユニットを押さえつけます。矢印の箇所は元々ユニットをネジ留めする予定で設けられらと思しきネジの逃げの凹加工です。
おそらく、当初はウーファーユニットもネジ留めして、その上にこのプレートだったと思うのですが、このプレートだけで十分なマウント強度が得られたので、ウーファーユニット単体をネジ留めはやめたのでしょう(と思う)。
そんなわけで、さらなるウーファーマウントの強化策としてウーファーユニット単体のネジ留めを施すことにしました。
まずは開いていないネジ穴を決めるためにウーファーを木ネジ留めにします。
このとき、
1.ウーファーをバッフルに置く
2.アルミバッフルプレートを被せてウーファーの位置を確定させる
3.アルミバッフルプレートをそっと持ち上げてウーファーのネジ穴位置に印をつけて仮穴を開ける
4.当初、ウーファーは木ネジで留めウーファーを固定する、これで完全にネジ穴が確定します。
という段階を経たのがこの状態。
木ネジのネジ穴をさらに8mmに広げ、裏から爪付きナットを仕込み、圧入します。圧入は裏から打ち込むことはできませんので、ミニクランプを使って圧入します。その際、バッフル面が痛まないようプレートを挟みます。
別の角度で見るとこんな感じでグイグいと爪付きナットをクランプで挟むことで押し込んでいきます。
これでウーファーはボルトでバッフルに直留めが可能になりました。
ツイーター側ですが、ツイーターを留めていたネジを外したところ、こんな状態でした。
ネジを緩める際にネジ穴のパーチクルボードがネジの腐食にくっついていたことで、ネジ穴のネジ山が崩れてバカになってしまってます(つまり穴が広がってしまってます)。
古いスピーカーでは割とありがちです。再び同じネジで留めようにも、しっかりと留めることはできません。対応としてはネジ穴に木屑をいれてネジ穴を小さくして再度木ネジで留める方法、長いネジを使うなどの方法がありますが、せっかくなので穴を貫通させ、爪付きナットを圧入してツイーターもボルトマウントにしました。
(作業中の画像を撮り忘れてしまった)
最後にネットワークと配線関係です。
ネットワークは機能しておりますので、コンデンサーを変えたりなどは特に行わず(今回の目的は改造ではなく、あくまでレストアなので音質はいじりません)。ただ、元々は配線が半田付けであったこと、配線が細かったこと、配線の皮膜のビニールが経年で硬化しているなどの理由で配線のみ、変更しました。
配線はすべてファストン端子化しています。
ツイーターは磁気ユニットに端子が触れてショートしそうな気配もありましたのでマグネットに保護のためにゴムを貼っています。
以上、これらを組み立て完成です。
別角度から。
それなりに苦労はしましたが、こうして組み上がると感無量です。
いやそれにしてもカッコ良いデザインです。
空気録音動画を収録し、空気録音動画のYouTubeへのアップいたしました。
次回記事(LS-10最終回)は以下となります。
・TRIO LS-10、レストア作業・YouTube動画アップ
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