ツイーターのレストア作業の続きです。前回記事で磁気ユニットの修復ができていますので今回は主に組み立て作業です。
と組み立て’の前にせっかくフレームからダイアフラムを外した状態ですので、アルミ腐食で見た目がイマイチなフレームを旋盤にチャッキングして研磨します。

これで高速回転させつつサンドペーパーを当てればピッカピカになるわけです。同心円状に研磨跡がつかないといけないので自ずと機械で回しながら研磨、という作業になります。ものの数分でピッカピカになります、手作業じゃやってられませんな。

研磨完了です、キレイになりました。研磨後、ブラックの部分はエアブラシで半ツヤ塗装しています。ほぼ新品みたいな見た目です。

次は埃を被ったダイアフラムの掃除です。これは特別なことはなく、水で濡らした綿棒ダイアフラム上を転がすような感じで優しく優しく埃を拭き取っていきます。

この時点ではダイアフラムはボイスコイル保護のために磁気ユニットに置いただけです。ボイスコイルむき出しの状態だと掃除の際にボイスコイルボビンの円形を歪めてしまいかねませんので…

全ての部品のレストアや掃除が終わりましたので組み立てていきます。ダイアフラムのプレートなどは接着の必要がありますが、いきなり接着するんではなく、一度仮組みしつつの作業になります。

まず、ドーム内側の吸音材を少量の接着剤でとりつけます。綿っぽいけど綿じゃない、フエルトでもない、グラスウールでもない、金魚綿でもない、素材はなんでしょうね?こういうのは代替が難しいですね。

つぎにダイアフラムが取り付けられている丸型プレートを磁気ユニットの前面の凹部に嵌めます。ピタリと嵌って気持ちいいですね。まだ丸型プレートと磁気ユニットの接着はしません、出音が正常か確認しないといけないです。

さらに前面のフレームをかぶせます。前面フレームの裏面も丸型プレートの形状に合わせて凹状になっていますのでピタリと嵌ります。でネジ穴もピタリと合ってます、こういう精度の良さは組み立てていて実に気持ちいいです。

この状態で出音して正常であることを確認したらダイアフラムが取り付けられている丸型プレートと磁気ユニットを接着します。接着剤はGクリアを使います。フレームと丸型プレートも接着します。この丸型プレートの接着は元からせっちゃくされていたもので完成時の密閉度を高めるためにも接着は必須です。新品のステンレスのネジでを留め、ターミナルに導線をハンダづけし、再度出音を確認します。

導線とターミナルの結線部はハンダづけの後、元合った通りに黒のゴム系接着剤1521Bで埋めます。ここもちゃんと埋めないと空気漏れの原因になります。密閉度の悪い密閉型スピーカーは音もイマイチですのでちゃんと組み立てます。

ツイーター組み立て最後は、フレームと導線が接触しないよう固定するために元々あったウレタンの枕を作成します。ベース側は1mm厚のゴム、覆い側は2mm厚のEPDMスポンジを両面テープを使って作ります。

これを貼って導線を固定することでM55のツイーターらしい外観になります。

あとは前面の保護ネットを取り付ければ完成ですが、保護ネットは少し錆がでていますので研磨してエアブラシで塗装ですね。というわけでM55のツイーターのレストアはこれにてひと区切り。次はウーファーですな。
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