FOSTEX FW100のレストア作業の第5回目記事です。
今回で完了を迎えます。
以下の記事の続きです:
・FOSTEX FW100、レストア作業(リコーン)その1
・FOSTEX FW100、レストア作業(リコーン)その2・ダンパー修正
・FOSTEX FW100、レストア作業(リコーン)その3・新コーン調整
・FOSTEX FW100、レストア作業(リコーン)その4・塗装です
前々回の記事時にコーンの下準備は出来ておりますので、接着前に仮組みして最終確認します。
コーンを組み込んでエッジをフレームに収めた際、ダンパーの水平が出ているかダンパーの状態も確認します。
きちんと水平になっています!
ここからの作業は、ボイスコイルとヨークに少しキツめのスペーサーを入れてボイスコイルを持ち上げた状態で作業します。ここからエッジを接着するまでの画像ではエッジがフレームから少し浮いている状態なのが分かるかと。
いよいよ新コーンの接着です、ボイスコイルとコーンの接合部にボンドを流し込みます。
使用している接着剤はスリーボンドの1521Bです。
DBボンドとどちらを使うか悩むところですが、ボイスコイルとコーンの接合部に接着剤が流れ込んでもらう必要がありますので流動性の高いこちらを使用しました。隙間ができないよう、しっかりと十分に流し込みます。
この状態で放置、ボンドは2時間ほどで乾いて次の作業が可能になります。
コーンの接着が乾いた時点でコーンの裏側には宙ぶらりんになっているリード線があります。何のことかというと、この画像の赤丸のヤツです。
コーンの裏側でリード線が宙ぶらりんになっていますんで、これを新しいコーンの裏側にボンドで貼り付けます(新コーンにはボイスコイルの穴を拡張した際、リード線を避けるための小さな切り欠きを入れています)。
エッジの接着です。
この時点までボイスコイルを持ち上げてコーンを浮かしている状態、フレーム側に接着剤を塗ります。コーンを浮かしている状態なので接着剤も塗りやすいです。ボイスコイルとヨークに挟んでいるスペーサーはそのままでゆっくりとコーンを沈めて接着すると自ずとセンターが出た状態でエッジの接着ができます。
で、ガスケットも接着し、接着剤の乾燥待ちで再び放置…
ここからはサクサクと作業を進めます。
次にFW100の特徴?でもあるボイスコイルのゴムリングを接着します。
次にセンターキャップです。
古いコーンを取り去る際、念のために元のセンターキャップを再利用できるよう、キレイに取り外して保存しておりました。新センターキャップもいくつかタイプ/口径違いの在庫がありますので、最も似合うものをチョイスします。
左は表面がやや粗目の40mm、右がツルっとした仕上げの45mmです。
古いセンターキャップは着色の必要もあるし、新コーンと質感が合わないのであえて再利用する理由はありません。新コーンの質感と合うもので比較的口径の大きな45mmが見ためも良いので選択しました。センターキャップの接着方法は画像を撮り忘れましたので、Art Audioのスピーカーを修理した際の記事を参考にしてください(下記画像はそのときのものです)。
その方法ですが…
1.接着剤も何もつけずにセンターキャップを仮置きして位置決め
2.接着位置に鉛筆で軽くマーキングします
3.センターキャップとコーンの隙間がないか確認、必要に応じてセンターキャップの縁を調整します。
4.センターキャップの縁に接着剤を塗布します。
5.センターキャップのてっぺんを粘着力を落としたテープでホールドし、2でマーキングした位置に着地して接着
という手順で行えばキレイに取り付けられます。
最後に剥がして保管していた背面のラベルを貼り付けます。
このラベルは剥がした後、裏面に両面テープを貼っていますので、元のステッカーのように再び貼り付けることが可能です。
ラベルを貼るとグっと引き立ちます、レストアのし甲斐があるってもんです!
これにて完成ですが、その前にレストア前の状態をもう一度おさらい
いや、酷いもんです、捨てようかと思ったほど…
そしてこれがレストア完了の姿です!
いかがでしょう!
42年を経たユニットです!
拡大して見るとフレームなどにタッチアップ箇所など僅かにありますが、ほぼ新品に近い見栄えです。コーンやセンターキャップの質感も現代風のユニットっぽくなって、なんとなく高性能に見えてきます(笑)
もちろん、この時点でエンクロージャーに仮止めして出音のチェックもしています。エッジが馴染んでいないのでやや硬めの音だと思いますが、十分に良い音を奏でています。
これにてFOSTEX FW100のレストア作業、完了!
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