FOSTEX 鈍器系エンクロージャーGK10のレストア作業の第5回目記事です。
以下の記事の続きです:
・FOSTEX GK10、レストア作業その1〜分解と洗浄
・FOSTEX GK10、レストア作業その2〜再塗装
・FOSTEX GK10、レストア作業その3〜配線類のメンテ
・FOSTEX GK10、レストア作業その4〜ネットワーク作成
やっと、やっと組み立てることができます。いやぁ長っかったっす。まずは、ネットワークとアッテネーターを組み込み、ツイーターまで取り付けました。
組み立てで最も頭を悩ませたのがネットワークの固定。ネジ止めするところはなく、内部に板を接着してネットワークの土台にしようかと思いましたが、僅かでもエンクロージャーの容積は確保したいので、結局、ネットワークに小さなゴム足を付け、エンクロージャー背面からスペーサーを介してネジ止めしました。ツイーターはFOSTEXのFT1RPです、こちらのレストア記事はこちら。
アッテネーターは必要に応じて接続を解除できるようハンダづけは行わないよう少し工夫しました。
吸音材は、これまた在庫モノを漁って丁度いいサイズの黒の不織布で包まれたグラスウールがありましたので、まずはこれを使い、試聴しつつ徐々に量を増やしたいと思います。
ウーファーと吸音材まで組み込みました。
吸音材の量はエンクロージャーの半分ほど、最終的にはVISONIK DAVID 50のように吸音材でぎっしりにするのですが、吸音材の量でどの程度の差が出るか知りたいので先ずはこれくらいから。ウーファーはFOSTEXのFW100でこれもゴミ同然のものをレストアしたものです。
全てのユニットを組み込み、スピーカーとしての体が出来上がりました。
いや、長い道のりでした。これでようやく音が出せます。エンクロージャーだけ持つとアルミの鋳物ですので重量感はさほどありませんが、ユニットを装着すると鈍器系スピーカーらしい重量になります(量ってないけど多分3kg弱くらい)。
クロスオーバー付近とウーファーとツイーターのバランスが気になりますので、最初に周波数特性をFFTWaveで計測しました。
まずピンクノイズでの計測
次にホワイトノイズでの計測
アッテネーターは全開状態、クロスオーバー付近2.5kHzあたりで微妙な谷があるようですが予想以上にフラットな特性です。それから予想外に低域まで伸びていて、これにもビックリです、やるなFW100。8.5kHz〜10kHzあたりに妙な落ち込みがあるのが気になります。この辺が落ち込むと曲によってはややコモリ感が出るかも。
そんなわけで毎度試聴に使うセットのCDをいくつか鳴らしてみました。
FFTWaveで計測した特性からSTYLE COUNCILのCAFE BLUEの冒頭曲「Mick’s Blessings」にある小さなタンバリンの音が埋もれるかと思いきや、きちんと鳴ってます。この曲は結構鬼門でDENONのUCS-M7なんかだとタンバリンはきちんと聞こえないんですよね。
低域もこの状態で十分に出てます、計測のグラフは嘘つきませんね。エレキベースの解像度も素晴らしい。ただ休眠期間が長かったツイーターとリコーンしたばかりのウーファーのせいで全体的に固くギコちない感じはします(ボーカルに滑らかさがないというか、良い音なんだけど生々しさ感がいまひとつ)。低周波でウーファーを強制エージングしてから吸音材のテストをした方が良さげですね。
それと完成したようで、実はまだ作業は残ってるんですね
・前面ネットのレストアと調整
・背面のネットワークマウントの皿ネジ穴の座繰り
・背面のアッテネーターのメモリパネルのレストア
もう一息です!
続きは以下の記事です:
FOSTEX GK10、レストア作業その6〜最後の仕上げ&完成